今さら聞けない印刷&デザイン用語「あ」
こんにちは。カタログパートナーズの山中です。
カタログ作成を進める中で、意味の分からない専門用語に困惑したことはありませんか?
カタログ担当者の多くは、印刷やデザインの初心者。
初めて聞く言葉が多いのも無理はありません。
そこでこのコラムでは、今さら聞けない印刷&デザイン用語と題して
複数回にわたりカタログにまつわる専門用語を解説していきたいと思います。
50音順で、まずは「あ」で始まる言葉から。
それでは一緒に勉強していきましょう!
アート紙
印刷用紙を選択する際などに、アート紙という言葉を見たことがあるかと思います。
アート紙とは、薄い上質紙にグロス系の塗料を塗布した用紙のこと。
ちなみに上質紙は、原料が化学パルプ100%の用紙です。
上質紙自体は平滑度が低くインクがにじみやすいため、落ち着いた印象の仕上がりになる一方、カラーの印刷には適していないという特徴があります。
この上質紙に塗料を塗布することで光沢が出て高級感が増し、カラー印刷も可能となったものがアート紙というわけです。
用途としては写真集やカタログなど。写真の多い印刷物によく使われます。
塗布される塗料は両面で40g/㎡程度であり、それ以上の塗料を塗布されているものはスーパーアート紙と言われ、アート紙よりもさらに光沢・平滑度・白色度などが向上したものになります。
なお、一般的に「アート紙」と言った場合には、グロス系の「グロスアート」を指します。
RGB
よく分からない専門用語のパターンとして、英語の頭文字を組み合わせたもの、というのもありますね。
例えば、色についての話題でよく聞かれるRGBもその一つ。
これは光の三原色「赤(Red)」「緑(Green)」「青紫(Blue violet)」の頭文字をとったもので、色の表現方法の一種です。
加法混合と言われるこの方法では、色を混ぜ合わせることで幅広い色合いを再現します。
3色は重ねるごとに明るい色になり、それぞれ同じ分量で混ぜ合わせると白色になるのが特長です。
なお注意すべきは、このRGB方式がテレビやデジタルカメラ、パソコンなどモニター上での表現にのみ用いられるものであるということ。
カタログ、ポスターなどの印刷物には、シアン(Cyan:水色)、マゼンタ(Magenta:赤紫色)、イエロー(Yellow:黄色)を組み合わせたCMY方式や、これに黒(K:Key plate)を加えたCMYK方式が多用されます。
混ぜると白色になる加法混合に対し、CMY方式やCMYK方式は減法混合・減法混色といって、混ぜると黒色になります。絵の具を混ぜていくと黒っぽくなっていくのと同じ原理です。
RGB方式とCMYK方式では再現できる色の領域が異なっているため、印字・印刷関連のソフトウェアにはたいていRGBとCMYKの相互変換機能が内蔵されています。
アウトライン
アウトラインとは、Illustratorなどのドローソフトで図形化した文字情報のことです。
アウトライン化、つまり文字を図形化すると、文字の輪郭が線画に変換されるので、大きさや形を自由に変えられるようになります。
また、フォントが無い場合の文字化けや、別文字への置き換わりを防げるというメリットもあります。
アタリ
デザイナーから上がってきたカタログ原稿の、画像が入るスペースにアタリと書かれていることがあります。
アタリとは、レイアウトやデザインの際に一時的に入れておく画像のこと。
アタリ画像とも言い、画像の位置やサイズの指定、切り抜き指示などを行うのに使われます。
一般的にアタリを用いるのは製作の途中段階。できるだけ低解像度の画像を選びます。
高解像度の画像だと表示速度が遅くなり作業効率が低下してしまうためです。
まず社内での調整ではアタリでイメージやレイアウト、サイズを決め、
最終的なデータ作成の時に、アタリ画像と高解像度の正式な画像を入れ替える処理をします。
網点
もし今、手元に新聞があるなら、その中にある写真を近くでよく見てみてください。
細かな点が集まって写真を構成しているのが分かるでしょうか。
この点のことを網点(あみてん)といいます。
印刷機で作られる印刷物では、網点の色と大きさの組み合わせで絵柄を表現します。
色については、RGBの項目で触れたC(シアン)・M(マゼンダ)・Y(イエロー)・K(ブラック)の4色の組み合わせ。網点の大きさは画像の濃淡(グラデーション)を表します。
点が小さく密度が低いほど色は薄く(ハイライト)、点が大きく密度が高いほど濃く(シャドー)見える仕組みです。
網点の濃淡のことを階調といい、2階調よりも16階調、16階調より256階調というように、数が多いほどより滑らかなグラデーションが再現可能となります。
また、表現網点の面積の比率を網点%といい、網点が100%の部分をベタと呼びます。
今さら聞けない印刷&デザイン用語「あ」・まとめ
まずは「あ」から始まる専門用語5つ。いかがでしたでしょうか。
カタログ制作の現場で使われる用語をしっかりと理解しておくことは、
関係者と意思の疎通を図り、より良い完成品に近づけていくためにとても大切なことです。
日頃の業務の中でも、分からない言葉に出会った時には知っているふりを装うのではなく、立ち止まってその都度意味を確認するようにしましょう。
分からないまま進めて、後で大きな間違いが発覚してしまっても手遅れですからね。
もちろん私たちカタログパートナーズも皆様の理解が深まるよう、このブログなどを通して積極的な情報発信に努めていきます。
まだまだ遠い道のりですが、全ては良いものを作るため。
一歩一歩着実に理解を深めていきましょう。
筆者プロフィール
山中彰/コピーライター
キャッチコピーと読書とおいしいご飯をこよなく愛するコピーライター。「宣伝会議賞・協賛企業賞ファイナリスト」「がん登録・統計広告賞金賞」ほか、各種公募賞受賞歴多数あり。名古屋イチの広告賞ハンターを目指し、日々心を動かす言葉を模索中。